低金利下での成長分野として、各行が事業を強化してきたが、カードローンは過剰融資、アパートローンは地方でのバブル化が指摘され、自粛の動きが広がっています

一方、アパートローンに関しては、土地を資産に持つ個人の相続税対策としての需要が一巡。その後も、需要に見合わない過剰な建設が続き、地方で空室率が目立ったことで貸付残高が減少したもようです。

銀行大手5グループのカードローンとアパートローンの9月末の貸付残高

  • カードローンの残高総額は3月末に比べ2.1%増の計1兆8609億円
  • アパートローンは非公表のみずほ銀行を除き1.2%減の7兆6038億円

低金利下での成長分野として、各行が事業を強化してきたが、カードローンは過剰融資、アパートローンは地方でのバブル化が指摘され、自粛の動きが広がっています

フリーローン(カードローン)で自己破産が増加

中高年になって自己破産するケースが増えています。

フリーローンによる借入過多も要因の一つです。その理由の一つに挙げられているのが、銀行には総量規制が適用されないことです。

個人が貸金業者から借り入れる場合には総量規制が適用され、借りられる額に制限があります。しかし、総量規制は、クレジットカードや消費者金融を対象とする貸金業法で定められているため、銀行法が適用される銀行、信託銀行、信用金庫などは対象外なのです。

消費者金融では借りられなかったのに、銀行ではOK

消費者金融などで借り入れを断られても、銀行で借り入れができる可能性があります。 総量規制を超える人への貸し出しは、それ相応のリスクが伴うはずです。しかし、グループ傘下に消費者金融を抱え、そこへ保証業務を委託することで、事実上リスクを負わずに貸し出す銀行もあります。

現在問題化されているフルローン、オーバーローン+フリーローンが可能なのは、上記の理由に拠ります。

 

大谷昭二(日本住宅性能検査協会理事長)

【参考】

総量規制