アパート経営も最初から成功が約束されているわけではなく、リスクはあります。そこで、アパート経営で大事なパートナーの管理会社について考えて見ましょう。
管理会社にも、得手不得手がある
大まかに分類してみますと、
- 入居付けに強い会社
- 管理能力の高い会社
- 集金に強い会社
- メンテナンスが得意な会社
など分ける事ができます。それぞれ特徴はさまざまです。
オーナーにとって入居付けや集金は収入の確保につながります。管理能力はトラブル予防に関係しますし、メンテナンスは支出の抑制に影響します。
管理会社の特徴を知っていれば、物件ごとのニーズに合う管理会社を選んで効率的な経営を行なうことができます。たとえば物件の近隣に競合が多く空室が心配なら、客付けに強い管理会社が良いでしょう。しかし駅近くなど立地がよい物件なら、客付けをそれほど重視する必要はありません。
入居率8割が目安
物件が古い場合にはメンテナンスに強い管理能力を利用することで、頻繁に発生する修繕やリフォームにコストを抑えることが可能です。修繕やリフォームの費用は、どんな工務店を選ぶかによって驚くほど違います。メンテナンスに強い管理会社はコストパフォーマンスの高い工務店と付き合いがあるので、安価で質のいいメンテナンスができるのです。
ビルメンテナンに強い管理会社と弱い管理会社では、コストが2倍以上も違うことがあるので、注意する必要があります。
空室を埋める斡旋力のある会社は何が違うのか、ズバリ、行動力と提案力です。その様な会社は、まず空室になると「絶対早期に埋めるぞ」という雰囲気がヒシヒシと伝わってきます。
管理会社の修繕の勧めには冷静な判断が必要
管理会社によっては、長期的な見通しのない修繕を勧める場合もあるので、やはり注意が必要です。やみくもな修繕はお勧めしません
たとえば、物件の見栄が悪くなったことに気をするオーナーが「そろそろ外壁を修繕しようか」などと言い出したとしましょう。しかし、ここで大事なことは「費用対効果」です。見積りでは、外壁塗装にかかる費用は500万円。確かに修繕によって物件の魅力は高まりますが、500万円は必要経費かどうか、長期的な経営視点で判断を下す必要があります。
良心的な管理会社なら、競合物件などと比較した上で、「この地域の周辺物件もこんな感じですから、まだ修繕しなくても大丈夫ですよ」とアドバイズしてくれるところもあるでしょう。あるいは「空室が気になるのであれば、修繕費用の一部を広告料に回すと効果があります」といった助言を付け加えるかもしれません。
マンション管理会社は管理組合の通帳の中身を知っている
日本住宅性能検査協会が扱った事例ですが、管理組合や理事が無関心なことをいいことに修繕積立金が3千万円あるから3千万円の根拠のない過剰な工事メニューを提案する不誠実な管理会社もあります。
これは管理組合の責任ですが、管理会社へ一社特命で発注すると、言い値なので割高になります。
大規模修繕工事は一回限りで終わるわけではありません。将来定期的に行われる改修工事に備え、無駄な出費をなるべく抑えなくてはいけません。管理組合の意識が問われます。
前回もお話したように、不要な修繕やリフォームを避けるためにも、費用精査は第三者オピニオンの活用をお勧めします。
建物検査センター研究室